利他の精神は筋肉に似ている。
使うほど大きくなり、強く成長する。
燃やすと消えていく脂肪とは異なる。
そして、使わなければ衰える。
ファイナンシャルプランニングでは自助努力を基本としながらも、その前提として社会保障や公共インフラなど「公助」の恩恵をしっかりと把握して、その不足分をいかに合理的・効率的に賄うかを考える。
そして、「公助」と「自助」の間に存在するのが「共助」。
自治会や消防団などの地域活動、ボランティアやクラブ活動、職域の組合やご近所づきあい etc…
こうした共助の恩恵を多く受け取れる人ほど、より豊かさを感じることができる。
だから「共助」に貢献することもファイナンシャルプランナーの大切な役割だ。
その「共助」の根っこにあるのが「利他の精神」。
だが、どうやら今、巷ではこいつが不足気味のようだ。
「利他の精神」を育てるにはどうすればよいだろう。
利他の精神が不足する社会では、これをお金で買おうとする。
そして、たいていは失敗する。
お金に換算できるものは、「脂肪」のように、消費すると消えてしまいがちだ。
しかも、「脂肪」のように、使うよりも貯め込むことを本能は指令する。
「利他の精神」も値段を付けられた瞬間に使うのがもったいなくなってしまう。
例えば、子どもたちに本格的な野球の体験をしてほしい、そんな気持ちで始めた少年野球の審判ボランティア。
支給された手当を時給に置き換えて意識したとたん、ばからしく思えてしまう。
そんな経験がないだろうか。
資本主義の世界に生きていると、私たちは何もかもをついつい「お金」に換算してしまうクセがついている。
でも誰もがうすうす気づいているように、お金にはならないけど自分にとって大切と感じることや時間はある。
報酬は必ずしも「お金」でしか受け取れないわけではないだろう。
だれかに「利他の精神」を求めるならば、中途半端にお金を出すよりも、正面切ってお金じゃない報酬を受け取ってもらう方がいい。
「世の中お金だけじゃないよ」、なんて言ってると小ばかにされた時代はもう過去になりつつあるのかもしれない。
「お金」を専門に扱うファインナンシャルプランニングを突き詰めるほどにその思いが強くなるのも不思議なことだ。
筋トレはつらい。
特にとっかかりはおっくうだ。
でもお金を払ってまでジムに通う人は多い。
負荷をかけても維持したい、大きくしたい。
そんな風に、自分自身も利他の精神を鍛えておきたい。


