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7月 15, 2020

買ってもいい物件価格の上限

買ってもいい物件価格の上限
7月 15, 2020

住宅購入の相談を受ける中で、必ずと言っていいほど質問されるのが買ってもいい物件価格の上限だ。

これにはいくつかの指標がある。

一昔前であれば年収倍率をよく見聞きした。

買ってもいいのは年収の5倍まで、とかいうものだ。

そういえば昔、婚約指輪の相場は月収の3か月分、なんてコマーシャルがあった。

今思えば宝飾品業界のプロモーションにまんまと乗せられたわけだけど、まだ若かったらっきいは1か月分ほどの婚約指輪しか買えないことにちょっと劣等感を覚えたものだ。

それはさておき、指輪と同じように住宅も年収の何倍なんて基準で選んでいいのか。

答えはNOだ。

それは「金利」と「年齢」と「家族構成」と「ライフプラン」を考慮していないから。

ちなみに、実際に住宅購入した人の年収倍率についてはフラット35利用者の公表データがある。

首都圏の新築マンションであれば約7倍、中古マンションで5.5倍とのことだ。

たとえば年収600万円の人を考えてみよう。

年収倍率7倍なら4200万円の物件を買ったことになる。

果たして、7倍は背伸びしすぎなのだろうか。

ここで、実際の返済額を見てみよう。

重要になるのが金利の違いだ。

金利毎月返済額
3.5%173,582円
2.5%150,147円
1.5%128,597円
0.5%109,025円
4200万円、35年ローンの場合

たしかに、年収倍率だけを見ると7倍というのは高すぎるように見えるかもしれないが、現在の超低金利下では返済額は無理がないと言えなくない。

無理のない購入を目指すなら大切なのは借入総額よりも実際の返済額だ。

仮に12万円の返済額が年収600万円の人にとって適正だとする。

12万円の返済額で組めるローンは金利の違いによって以下の通りだ。

金利ローン額年収600万円に対する年収倍率
3.5%2904万円4.8倍
2.5%3357万円5.6倍
1.5%3920万円6.5倍
0.5%4623万円7.7倍
毎月返済額12万円、35年ローンの場合

結局のところ年収倍率なんて金利次第で変わってしまうということがわかる。

そして、金利に加えてもっと大切な視点が「年齢」と「家族構成」と「ライフプラン」だ。

ざっくり言えば、

「あといくら稼げるの?」

「住宅のほかにいくら必要なの?」

という2つの視点だ。

今は同じ年収でも、30歳と50歳ではこれから稼げる金額は大きく異なる。

今は同じ年収でもこれから上がる人もいれば、これから下がる人もいる。

なのに、今現在の年収の倍率が目安になることはそもそもおかしい。

また、同じ年収でも単身なのか、扶養すべき家族がいるのかでは住宅に回せるお金は当然違う。

子供が一人増えれば教育費だけでも1000万円以上違ってくる。

だから個別のライフプランニングが大切だということになるのだけれど、それでも物件価格の上限をお手軽に知りたい人のために「会社員限定」でらっきいが考える上限目安を把握する方程式を挙げてみよう。

住宅費の上限目安=「今後退職するまでの総収入額×25%」+「住宅に使ってもよい貯蓄額」

例えば45歳で今後定年までの15年間は年収800万円、その後5年間は450万円の年収を見込んでいるなら

800万円×15年+450万円×5年=1億4250万円①

①×25%=3560万円

これに加えて住宅用として貯蓄1000万円を充ててよいのであれば4560万円くらいが目安となるだろう。

この考え方は銀行が住宅ローン審査に用いる「返済比率」に似ている。

ただ、銀行の「返済比率」はあくまでその年(厳密には前年)の年収に対してだけど、上記の方程式は将来に向かった実際の稼ぎと貯蓄額を考慮する点でより現実的だ。

比率を25%としたのは、会社員の場合、税金や社会保険料を差し引いた可処分所得がおおよそ年収の75%。

そのうち3分の1(25%)は住宅費に充てても残りで生活はできるでしょう・・という感覚だ。

さらに家族ごとの価値観、優先順位、実家を含めた資産背景なども考慮すればより正確な目安が出せるだろう。

現在の年収だけを頼りに予算を組むことはあまりに危うい。

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