
おそらく多くの人にとって住宅は人生で一番お金がかかるもの。これは購入する人にも賃貸の人にも言えること。
住宅は一度決めるとそのあと長い期間にわたって影響が大きい。
たとえば一生を通して平均10万円の家賃で過ごす人は、80年で約1億円ものお金が必要だ。
家賃が1万円違うだけで、80年なら約1000万円もの差になってくる。
購入する場合でも例えばこんなことがある。
気に入った住宅があって4000万円、35年返済の住宅ローンを組んで購入したとしよう。
住宅ローンには金利がかかる。
この金利には借り入れる時期や銀行、固定や変動といったタイプによっても大きな差がある。
たとえば金利が2%なら総返済額は約5600万円、1%なら約4700万円。
たった1%の金利が違うだけで、ここでも1000万円近い差がついてくる。
今は超がつくほどの低金利が続いているから実感がわかないかもしれないけれど、たとえば平成の30年間には同じタイプ(30年固定)の金利でも上は8%~下は1%を切るくらいまで、なんと7%もの変動があったことは意識しておくといい。

車が何台も買えちゃうね
そうだね。
もちろん車でなくても、旅行や趣味、子供の教育費のように人生を豊かにするもの、家族の将来につながるものに使うことができると考えると、しっかりと無駄がないように見極めたいところだね。
なのに住宅を購入しようとするときって、どうしても気持ちが高ぶっているし、おすすめしてくる営業マンも言葉巧みに背中を押してくる。
検討し始めてからあわてて住宅ローンの情報を集めても、しっかり検討する時間はないことも多い。
すぐにばれる嘘
住宅ローンを組むときに、いくらまで借りることができるかは大きな問題だ。
その時基準となるのが「返済比率」という考え方。
詳しくは別の日誌で書こうと思うけど、ざっくり言えば年収の何%までなら住宅ローンの返済に充てても大丈夫なはず、という計算だ。
銀行によって多少の違いはあるけど、30%~40%くらいに設定していることが多い。
例えば年収が600万円の人が、銀行に行って「僕はいくらまで借入できますか?」って尋ねたとする。
返済比率の上限が35%なら
600万円×35%=210万円
年間で210万円までの返済なら後はなんとかなるでしょう、という理屈だ。
ちなみに、35年ローンなら4500万円くらいが借入可能となる。
でも、少し考えてみると明らかに変なことがある。
そう、年齢を考慮していない。
例えば今30歳で65歳まで働けるなら、
600万円×35年=2億1千万円
の中から返済すればいい。
でも今40歳なら
600万円×25年=1億5千万円
の中から返済しなくちゃならない。
なのに同じ金額が借入できてしまう。
おかしいよね。
さらに言えば、今後の年収推移を考慮していない。
今は同じ年収でもこれから上がっていく人もいれば、横ばいの人もいる。
どこかで下がっていくのかもしれない。
でも、住宅ローンの審査ではそんなことは気にもされない。
こう言っては何だけど、君の乗った船が無事に航海を続けられるかどうかを考えるのは銀行の仕事じゃないのだろう。
「これから稼げるお金は知らないけれど、あなたが借入できる金額はこれですよ」
こんなすぐばれる嘘をどうしてつくのかしれないけれど、こんな嘘さえバミューダトライアングルの中では気付けない人がいる。
そんな時こそぜひファイナンシャル・プランニングを活用してほしい。
冷静さを欠く危険な状況にこれから立ち入るんだってことを意識していればそれだけでも判断力が高まってより良い選択につながる。


