あらゆる風と波は常に優秀な航海士の味方となる
―エドワード・ギボン(イギリスの歴史家で、『ローマ帝国衰亡史』の著者)

うーん、どういうことかな?
蒸気船が発明されたのは19世紀。それまで長い間、航海は人力や風力が動力源だったんだ。
だから船を力強く運んでくれる風は航海士にとってとても頼もしい存在だったんだね。

でも向かい風だってあるよね
そうだね、行く手を阻む向かい風や、船を飲み込もうとする巨大な波はむしろ航海士を悩ませたのかもしれない。
そんな時、一見敵のように思える逆風でさえ味方につけることができる航海士が求められたんだ。それが優秀な航海士の条件だったんだね。

ちょっとかっこいいかも
だね。
人生という航海だっていつでも順風満帆じゃないのは同じ。
だから僕たちも、どんな風も波もうまく味方につける航海士にならないといけないんだ。
人生航路の「風向き」や「波の変化」とは?
風向き=公助の行方
長い人生、どこまでも自分自身でこぎ続けるのは大変なこと。
でも人生航路ではいろんな力が追い風のように助けてくれることもある。
たとえば病気やけがをしたときに助けてくれる健康保険や、体が不自由になったり歳をとって働けなくなったりしたときに助けてくれる公的年金。ほかにもリストラで仕事を失ったときに助けてくれる雇用保険なんかもそう。これらはまとめて社会保障制度と呼ぶんだ。
そして、こうした制度は公的な助けという意味で「公助」ともいうよ。

コウスケ?
コウスケだとらっきいの幼なじみみたいなので「コウジョ」って読もう。
大切なのは、この「公助」という風は時代によって力が強まったり弱まったりすること。
この風の行方を見通しながらうまく利用できれば人生航路をより安全に進められるし、逆に、読み違えたり、知らずにうまく利用できないと、必要以上に大変な思いをすることになるから注意しないといけないんだ。
関連リンク 公助・共助・自助
波の変化=市況の変化
さらに人生航路には、自分の努力とはまた別のところで大切な資金や財産を増減させる、まるで波のような力が働いている。
たとえば景気の良しあしで給料やボーナスが上がったり下がったり、貯蓄や資産が増えたり減ったり、物価の変動で自宅の価格が上がったり下がったり・・・
こうした波は「市況」と呼ばれている。
この「市況」を先々まで読むことはとても大変だけど、少なくとも今どんな市況なのかをはっきりと知るだけでもとても役だつことだからしっかりと勉強しておきたい。

そっかあ、経済の勉強は自分の航海に生かせる風や波を見つけるためでもあるんだね
そのとおりだ。
そして、漕ぎ出す先の気象が頭に入ったら、次はいよいよ自由自在に船を動かす技術についても学んでみよう。
